今年度も、文化庁において有識者による会議が開催されています。
昨年までの「公認日本語教師」という日本語教師の国家資格化議論の延長線上にある検討会議です。
今後、有識者が制度設計について討議を重ねていくことになりますが、文化庁から大まかな制度設計案が示されました。
※以前のブログ記事を落としていましたが、昨年4月会議の記事が参考となると思いますので、再掲しておきます。
1.日本語教育機関の認定制度の創設について
①現在の日本語教育機関の中から、一定の要件を備えた教育機関を「認定日本語教育機関」として国が認定する。
②「留学」の他、どの日本語教育類型を担うかについては、今後検討する。
③各教育機関から文部科学大臣に対する定期報告等を課すことで、認定後の教育活動の状況を国等が把握し、日本語教育機関の質の保証と改善・向上を担保する。
④「認定日本語教育機関」で日本語を教える教員は、すべて「登録日本語教員」とする(補助的指導者は除く)。「登録日本語教員」になるには、国家試験に合格する必要がある。
2.日本語教師の国家資格について
1.登録日本語教員になるためには、①筆記試験に合格し、②教育実習を経ることが必要となる。
2.指定教員養成機関:文科省が指定する。おそらく現在の「文科省登録日本語教師養成講座」的な機関で、教育実習の協力などを行うことになるのではないかと思います。
3.日本語教員の登録に関する経過措置。①「一定の実務経験」があるものが、移行期間内に登録する場合には、新たに教育実習を受ける必要はない。②現行の民間試験のうち、新試験で測定する能力を網羅しているもの(Ex.日本語教育能力検定試験など)の合格者が移行期間に登録する場合には、試験の一部又は全部を免除する。
現時点では以上のようなたたき台の内容と思います。
本制度がこのような設計で運用された場合、日本語教育機関は、従前の日本語教育機関と認定日本語教育機関に分類されることになると思われますが、従前形態を選択するメリットがあるのかと考えると、おそらく多くの日本語教育機関は認定日本語教育機関に移行するのではないかと考えられます。
その場合には、日本語教育機関の管轄は文科省となる可能性が高いこと、実際上日本語教師として指導するためには登録日本語教員の資格を得ることが必要、という状況になると考えられます。
本件は引き続き追いかけていきます。