従来の日本語学校(告示校)制度は、2024年4月から認定日本語教育機関制度に移行され、制度開始から告示校には5年間の移行猶予期間が与えられます。
そのため、今後新たに「在留資格「留学」を交付される留学生を受け入れる日本語学校」を作りたい場合には、文部科学省管轄となった認定日本語教育機関の留学課程を設置する必要があります。
目次
スケジュールや手続き等
1.開校したい年月の決定
・新規設立の場合、開校月は主に4月か10月を選ぶことができます
(最大で年に4期までの受入れ時期設定が可能です)
・教育理念などの構築、校舎備品等の準備、教員の確保、当面の運営資金の確保など
2.申請時期の決定
・認定申請は年2回(春申請と秋申請)があります。
現在の準備状況や開校目標年月を決めて、申請時期目標を設定しましょう。
【春申請】
・4月~5月 :事前相談
・5月下旬 :申請締切
・6月~7月 :実地調査(担当官による校舎の現地確認)
・7月~8月 :一次審査
・7月~9月 :ヒアリング等(一次審査と二次審査の間に行われる)
・9月 :二次審査
・10月頃 :認定
・翌年4月 :新規開校
【秋申請】
・9月~10月 :事前相談
・10月下旬 :申請締切
・11月~12月 :実地調査(担当官による校舎の現地確認)
・12月~2月 :一次審査
・12月~3月 :ヒアリング等(一次審査と二次審査の間に行われる)
・3月 :二次審査
・4月頃 :認定
・10月 :新規開校
※申請に向けた準備は非常に大掛かりになりますので、一般的には1年以上の準備期間が必要です。
3.提出資料作成
・所定の様式等にしたがって不備のない提出書類を準備します。
4.文科省への事前相談用提出資料等の送信
・本制度は、申請(本申請)の前に必ず事前相談を行うことになっています。
事前相談日の14日前までに電子システムで申請に必要なすべての書類と文科省に提出することと
されていますので、実際には本申請の締切日よりも2か月程度早くに書類が整っている必要があり
ます。
5.事前相談
・文科省の担当官とオンライン形式で事前相談が行われます。
6.申請(本申請)
7.実地訪問
・担当官等が校舎に来て、提出資料の記載内容が正しいか等を確認します。
8.ヒアリング等
・文科省に出向いて、日本語学校の経営体制や運営計画、教育内容などについて確認されます
(令和8年第1回申請分からオンラインも検討中)。
・設置者、校長、主任教員が中心となって面接審査を受けます。
・実施時間は、3時間程度が標準です。教育内容については特に突っ込んだ質問がなされます。
9.審査結果判明(認定・不認定・継続審査)
・春申請は10月頃、秋申請は4月ごろに審査結果が分かります。
・無事に認定となったら、一般的に春申請は4月開校、秋申請は10月開校となります。
10.留学生の受入れ・開校
・認定から開校までの間に、入学予定留学生の在留資格認定証明書(COE)交付申請を行います。
・留学生は開校時期に合わせて入国し、入学式やガイダンスを経て通常授業に移行していきます。
新規設立に求められるもの(主なもの)
〇設置者(=運営主体)
・運営主体にはほぼ制限はありません。法人でも個人でも運営が可能です。
・健全な財務状況であることが必要です。
〇土地・建物
校地・校舎は自己所有が原則です。
〇教員等
学校長、教員、生活指導担当者などが必要です。
※ 日本語教師には、教員要件があります。
※ 校長、主任教員、事務統括職員には、要件や適正の基準・審査がありますので、人選は慎重に
行ってください。
〇運営資金等
・債務超過でないこと
・最低でも1年分の運営資金(人件費など)を保有していること
などが必要です。
〇カリキュラム(教育課程)
・カリキュラムは最重要事項です。「日本語教育の参照枠」に則ったカリキュラム編成が必要です。
・告示校の時代とは、求められる日本語教育観が大きく変化しているので、参照枠や編成の指針、
文部科学省や関連団体が提供している各種資料等を熟読する必要があります。
〇生徒数(定員)
・新規設立時の定員は最大でも100名までです。
・認定後一定要件を満たした場合には、現定員の1.5倍まで増員することが可能になります。
設立に当たって注意すべきこと
経営収支の確認
日本語学校の収入は、基本的に生徒からの納付金が中心となります。
一定の要件を満たせば将来的に生徒数増員が可能ですが、通常、教室数や教員数を増やす必要が
生じます。
留学生の入国は政治・政策的な影響を受けるので(ex.新型コロナ感染症)、余裕のある資金計画を
心がけましょう。
カリキュラムや教員の質
「高い教育水準レベルをもつ日本語学校は、経営が安定している」というのが私の印象です。その
ためには、十分に練られたカリキュラムと、質の高い日本語教師の存在が重要です。
留学生の在留管理等
・日本語教育機関には、実質上留学生の在留管理に関する責任が課せられています。一旦失踪留学生
を出してしまうと、経営的に大きな打撃を受けます。しかし、入管や警察の援助はあまり期待できま
せん。その予防策は何といっても入学選考時に質の良い留学生のみを選ぶことです。学習意欲や将来
の展望、母国での学習状況、家族の経済状況などを総合的に判断してください。
・また、生活指導や進路指導、災害時の対応などについても適正な体制が整っている必要があるの
で、留学生の日本における生活全般をフォーローできる体制づくりを心掛けてください。
